「クリスさん!?何でここにいるんですか!!」
サクヤは、慌てた表情でクリスに駆け寄った。
「何でってお前、弁当をテーブルの上に忘れてたから届けに来たんだよ」
クリスは、平然とした顔でそう言った。教室からは、ざわざわと生徒達が二人の話をしていた。
「とりあえず、これ。」
「えっ!あ・・・うん、ありがとう」
「じゃあ俺は、これで」
そう言うとクリスは、教室から出て行った。その後、サクヤがみんなから質問攻めにあったのは、言うまでもない。
学校 校門前
「さて、帰るか・・・」
学校を後にしたクリスは、家に帰ろうとした時だった。
「!!この感じ・・・アルファか!!」
クリスは、魔力の感じる方へ走っていった。たどり着いた先は、小さな公園であった。そこには、黒いローブを着た男が立っていた。そしてその男の周りには、5匹のウルフがこちらを睨み付けていた。
「ほぅ。やはり気が付いたか・・流石だな」
男は、クリスを見ると分かっていたかのように言った。
「貴様、何者だ?」
「お前が知る必要は、ない」
そう言うと男の周りにいたウルフ達が一斉にクリスに襲い掛かってきた。
「くっ…やるしかないか!」
「グァアァァ!!」
サバイバルナイフを取り出すとナイフに精霊を宿らせた。
「いくぞ・・プリズム・・・」
『はい…マスタークリス』
クリスが、そう言うとナイフに宿る守護精霊のプリズムが魔法陣を発動させる。そこに2匹のウルフが飛び掛かってきた。
「グァアァァァァ!!」
「来たれ氷河の柱………フリーズレイ!!」
そう言うと地面から氷の柱が現れ、ウルフに突き刺さり断末魔とともに消えていった。
「あと3匹!!」
その矢先、左右からウルフが切り裂こうとしたがそれは出来なかった。
「氷彗閃 流星!!」
「グァア・・・」
左右から来たウルフを一瞬で凍え、砕け落ちた。
「くっ!・・あと一匹は!!」
「グァアァァアァァ!」
「なっ!後ろ!?間に合わない!!」
この距離からじゃあ、術も剣撃間に合わない。
ヤツを召喚するしかないか・・・
グサッ!
「グァゥ!アァゥゥ・・・」
「っ!?」
そこには、襲い掛かろうとしていたウルフが倒れていた。