平凡な日々に闇は差す。第五話
その子の名前は静那と言う。
龍一狼ははやく和也の所に行こうと思い、「はやくはやく。」
と急いだ口調で言った。
「じゃあやるね。目をとじてて。」
目をとじた龍一狼はなぜか温かい気持ちになっていった。
「シュン」と縄跳びの二重跳びをするような音が聞こえてきた。 その瞬間目をとじていてもわかるほどの光があたった。
「ってことだよ。和也俺テレポーテーションしたんだ!!スゴくない?」
龍一狼は自慢げにいった。
「すごいのはその女の子だろ?静那だっけ」
和也は自分もやりたかったといったような顔で龍一狼を見た。
「でも、このあとどうすればいいんだ。」
2人とも不安げだった。
すると湖が波をたてはじめた。
なんだなんだと思い2人は草むらの方に足を近づけた。
湖が凄い波しぶきをたてながら半分に割れていった。
割れた先を見ていると、その奥の奥に洞窟があった!
2人はこんなマンガみたいなことあるもんか、と目をこすってみたり、互いにほっぺをつまんだりした。
しかしこれは夢ではなかった。
そうこれは現実以外のなにものでもなかった。
「和也どうする?いくの?俺はいかない方がいいって怪しいし。」
しかし この話を全く聞いてない様子の和也の目はまるで磨かれたダイヤモンドみたいに輝いていた。
この様子を見た龍一狼は諦めたように和也と湖の中を歩いていった。
歩いていると、二人は「しーん」とした空気に耐えられなくなり、しりとりを始めた。
その時!割れていたはずの波がだんだんと崩れてきたのだ!
あまり進んでいなかった、和也と龍一狼はすぐ引き返した。
「龍がしりとりやりたいとかいったからじゃん。」
2人は喧嘩を始めてしまった。
「もうやーめたあぁこんな所来なければよかったよ。」
2人の間には険悪な空気が流れていた。
しかしその喧嘩もつかの間また湖が割れていったのだ!
和也と龍一狼は顔を見合わせた。
もう一回行こう!と合図した。
絶対にしりとりは何かの合図だと考えた。
さぁいざ行こう!と思ったその時、龍一狼が感じたあの温かい感じと全く同じ感じを龍一狼は感じ取った。
それから1時間くらい、湖のほとりで待っていたら、
なんとあの施設にいた静那がテレポーテーションして駆けつけてきた。
「あの子が龍が言ってた女の子?」
うんそうだよと自慢に満ちた目で頷いた。
つづく