「えっ…お祖母ちゃんとお父さんの事を知ってるの?」 麻里は目を丸くして言った。
「当然です。楓さんと國弘さんは要注意人物ですからね」 兵士は「当然」のところを強調した。
「要注意人物!?どうして?」 強調したところが少し気になったが麻里は構わずに次の質問をした。
「やはり聞いてないんですね。なら別に知る必要はありません」 兵士は優しく言った。(あの楓が自分の孫に何もかも全部喋る訳無いか…もしこのガキが全て知ってたら牢屋にブチ込めたのに…クソッ!) 兵士は苛立った。だが次の瞬間にはもう機嫌が良くなっていた。それは浩のある一言が原因だった。