「…」
ライルはセイルの質問に答えず、食料庫からその袋を取り出して、黒くなってボロボロになった葉っぱを見つめた。
「あいつ…まだ、こんな事をやっていたのか…」
ぎゅっと唇を噛み締めながら、ライルは大きく息を吐いた。
「こんな事…?」
「…これは、ロイがやったものだ…。恐らく、眠れなくなるとこうして、葉っぱを燃やして気持ちを鎮めていたんだろう…」
「気持ち…ですか?」
「罪悪感…と言ってもいいだろうが…ね…」
ライルは悲しそうな表情で、その袋を元の場所に戻すと、小さく首を振った。
「罪悪感…ロイ君は、何でそんな感情を…?」
サリアはライルの悲しげな表情を見つめながら、心配そうな顔で、尋ねた。
「…サリアさん、セイル。これから話す事は貴方達の子供には話さないでもらいたい。これは、本来であれば、ロイ自身の口から言わなければならない事だからね…」
「…分かったよ、兄さん」「分かりました。お義兄さん」
セイルとサリアはそう言って、静かに頷いた。
「…あれは、まだロイが八歳くらいの頃だったかな…。あの頃のロイも、今と変わらず、内気で、静かに何かをしているという性格だった…」
「うん、それは僕も知ってるよ」