「フィオナさん。あんたって人は、何にも知らないからそんなこと言えるんだ。ノイザーはさ、周りから嫌われているために、よく騒ぎを起こすんだよ。ノイザーが人を殺したことも多々ある。今回の火事も・・・ノイザーがやったことだ。」
「不審者がノイザーだったってことですか?」
「そういうこと。」
フィオナは少し考えたあと、口を開いた。
「たしかその不審者は火事に巻き込まれて死んだんですよね?ノイザーなら、なんかすごい力でも使って逃げれちゃいそうなのに。間抜けだったんですかね。」
フィオナは無邪気に笑う。「違う。俺のせいなんだ。」
勝手に口が動いた。
「俺が、奴を殺したからなんだ。」
フィオナの表情は凍り付いた。
「え、・・・どうして・・・・・」
「やつは病院に火を付け、多くの人を殺した。許せなかったんだ・・・・」
ウィルは手のひらを結んだ。力一杯に。
「でも・・・。死んだんだ。奴は、死んだ・・・。同じノイザーだ。奴を救ってやる手もあったはずだ。もっと早くに病院に行っていれば・・・・。」
フィオナはなにも言えなかった。