貴方が全てだった
すぐに忘れられる程の愛ではなかった
だけど愛の形がもう見えない
貴方と連絡を取れなかったこの二日間
不思議と貴方を想わなかった
別れたあの日
寂しさというよりも少しの憎しみを残した
あの時『さようなら』を口にしなかったのはそれでも繋ぎ止めていたかったからではない
静かに壊して行こうと思ったから
久しぶりの貴方からのメール
心が弾まない
『寂しかった?』
その貴方の問いかけに小さな苛立ちを覚えた
返事を返す手が止まる
質問には答えず話をすり変えた
気付いてくれてもいい
もう貴方の側にはいれないんだと
未練は無いと言えば嘘になるけれど
強がりと言うよりは諦めだった
貴方からの着信も無視をした
話したくない訳ではなく
何も話せない
このまま貴方も忘れてくれたらいい
あんなに愛し合っても所詮は愛人でしかなかった
貴方が私を抱き締めながら言った言葉を覚えている
『誰にも渡したくない』
貴方が私の物にならなければそれは無理な事
その後に冗談っぼく笑いながらこう言った
『だけど家庭を壊されたら困るしな』
此処にいる私は一体何なのだろう
ぞっとした
甘い言葉と残酷な言葉
それを簡単に言えてしまう貴方が恐ろしかった
壊すつもりなんて無かった
それを改めて言われる事の虚しさ
だったら今の二人を壊せばいい
復讐とは違うけど貴方にも人の痛みを知って欲しい
私の苦しみを少しでも分かってくれていると思ったから
私が間違っていた
貴方は何も知らない
何も分かろうとしてくれてはいなかった
いつも見せて来た私の笑顔の裏にある本当の思いを
どれだけの痛みを背負って来たのかを