「白井、寝たの…?」
……
唇と唇が重なる。
佐藤は引き寄せられるようにキスをしていた…。
唇を離す…
「俺、何してんだ…
こんな事。」
佐藤は今まで彼女がいた時も、浮気なんてした事がなかった。
それに、彼女にさえ自分からこんな自然な気持ちになった事がなかった。
「それなのに…
俺が好きなのは愛さんなのに…
何で?俺って実は軽いヤツなのか…」
白井…
今までどんな気持ちだった?
俺、ずっと気付かなくて…
相談したり、告白しろって言ったり。
「ごめんな…」
「ん、はぁ、佐藤?」
「あ、起きた?具合いどう?」
「ん、だいぶね…
でも、まだ苦しいけど、看病してくれてありがと☆」
なぜか佐藤が照れる。「あ、いや、看病じゃないからっ」
「え?、どうしたの?ゴホゴホ。
あと…さ。嬉しいんだけど、手…」
佐藤は手を握ったままだった。
「あっ、ごめん」
慌てて手を離す。
「私はいいんだけど、汗とかでベトベトでしょ?
それに移ったりしたらダメだし…」
なんか、佐藤の様子が変。
私、寝言でなんか言ったかな?
…いつ、寝たのかも覚えてないんだよね(^_^;)
「あ、そだ。佐藤バイトじゃない?」
佐藤は時計を見る。ちょうどいい時間帯だ。「…でも、白井。」
「私の事はいいからっ、今日、佐藤は自分の事考えて…
任務あるでしょ?」
「そだな、分かった。あっ、店長には俺から白井休むって言っとくから」
「うん、ありがとう」
「じゃ、行ってくる、ちゃんと寝てるんだぞ!!」
「うん。」
そういうと佐藤はバイトに行った。
なんか、付き合ってるみたいな会話…
今日、どうなるんだろう?
私はまた眠りについた。
「ん、今何時?」
時計を見る。
10時…。随分寝た。
お昼、佐藤が作ってくれた残りを食べて薬を飲んだ。
体温は37.8。
「よかった〜随分下がった」
病は気の持ちようだなぁ。下がったと思ったらけっこう楽になった♪
汗でベトベトで気持ち悪いなぁ
お風呂入って着替えよう…
シャー…
ふぅ、佐藤、なんて切り出したんだろ。
ゴシゴシゴシ。
何をしてても、佐藤の事、考えてしまう…
「はぁ、未練たらしすぎ…」
私はお風呂から上がってベットに潜り込んだ。
ピンポーン。
え?誰?
まさか…
ガチャ。ドアを開ける。「具合いどう?アイス買ってきた、熱ある時って冷たい物欲しくなるだろ?」
「佐藤…」