ミユキはあたりを見渡したが、周りには森と狭い道路の他に何も無く、もうバスを待つ以外に方法は無かった。
ミユキはバスを待ち続けた。
ベンチも何も無い、ただのバス停で、ひたすらバスを待った。
15時20分。
バスの予定時刻まで、残り1時間を切った。
また遠くの森で、雷鳴が聞こえる。
タイミングを合わせるかのように、強い風がミユキのスカートを揺らした。
ミユキはバスを待ち続けた。
16時15分。
ついにバスの予定時刻になった。
しかしバスは来ない。
16時30分。
まだバスは来ない。
それどころか、待ち始めてから1台の車も通らなかった。
それでもミユキはバスを待った。
17時00分。
ついに雨が降りだした。
冷たい雨が、ミユキの髪を濡らす。
それでもミユキはひたすらバスを待った。
18時00分。
あたりはすっかり暗くなった。
ミユキのシャツは、ずぶ濡れで、ピンクの肌が透けて見えた。
18時35分。
バスの定刻から2時間以上が過ぎた時、遠くから車のエンジン音がした。
その音はどんどん近付いて来る。
そして、ヘッドライトが闇夜を切り裂き、ついにバスはやって来た。