初めての恋…16

ひろ  2006-06-17投稿
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パク、パクン。

さっきから無言で二人ともアイス食べてる…

なんて言えばいいかな?この様子だと聞いたみたい…彼氏の事。

「白井…?」

「あ、はいっ」

「それ食ったら熱上がる前に寝た方がいいよな…」

…え?報告とかなし?何?アイスを食べさせにわざわざ…?

違う…か。
彼氏がいてもいなくても佐藤は言いにくいよね。
私の気持ち考えてくれてるんだ。

きっと、彼氏はいないんだね。
いたら、佐藤こんな冷静じゃないと思う。

「あ、ありがと。」

「へ?」何が?って顔してる…。

「愛さん、彼氏いなかったんでしょ?
私の事、考えて言わないとか…
あは、勝手な想像だけど。」
…自意識過剰っぽくて照れる。

「…いたよ。」

私は自分の耳を疑う。「えぇ?嘘…
なんで、佐藤はそんなに冷静なの?」

「振られるの前提で告白したんだもん、分かってたから…」

「でもっ!!好きって言った、愛さん。どうして、彼氏がいるのに…」
あぁ、イライラする。一番私が悔しくて、興奮してる。

佐藤を愛さんに渡したくない!!
でも、佐藤を傷つけて欲しくもなかったのに!!
「彼氏と上手くいってないんだって…
で、俺の事も好きだからって…
キープだな。」
佐藤はため息をつく…
どうして…?
何?キープって。
私は佐藤が好きなのに…
一番好きな人がいればいいじゃん。
どんな理由があるかわからないケド、私は?
私の気持ち…
佐藤の事がこんなに好きなのにっ。
一番大好きな人が振り向いてくれない私。

「い…や、こんな諦め方嫌。わ、私。
こんなに佐藤の事好きで…」

止まらない涙も言葉も…
「佐藤が私の事なんとも思ってないのわかってるケド…悔しい。
傷ついて欲しくない。愛さんに渡したくない。」

「白井…。」

「私じゃダメ…?」

勝手だ、私。
さっきまで、愛さんに彼氏がいて、佐藤とは付き合ってほしくないって思ってたのに…
こんなんじゃ、好かれる所か、嫌われる。

「白井…」

佐藤が私を強く抱き締める。
「さと…う?」

佐藤の顔が近寄ってくる…

「あっ」
私は目を閉じた。
触れ合う唇。
何度も何度もキスをした。
その度に胸の中で音がする。

好き…佐藤。

もう、あなたしか見えないの。

苦しい気持ち…

だけど、

私、佐藤とひとつになりたい…

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