私の父は、とても扱いにくい人だった。
一度機嫌を損ねると、いつまでも根にもって、
まだ小さい子供たちに対しても嫌みを言ったり、無視したりした。
短気で、気に食わない事をすると突然怒鳴った。
決して手はあげなかったが、怒鳴られると全身が硬直した。
しかも、なぜ怒られたのかよくわからない事が多かった。
ただ、ちょっと勘に触っただけだったのだろう。
私が長女にしたように…
あんなに大嫌いで、軽蔑していた父だったが、
私自身、親になって、あの父と同じような態度で長女と接していたのだ。
子供を虐待する親は、
自分も小さいころ虐待を受けて育った可能性が高いと言われている。
全くその通りだと思った。
背筋がゾッとした。
常に自分が正しくて、
相手の非を責めたて、
認めるまで絶対にゆるさない。
我が儘で意地悪で大人気なくて
誰からも愛されず
きっと会社でも嫌われ者だったに違いない。
今でも父を知る人に偶然会うと恥ずかしい。
そんな父に私が似ていたなんて…
最もなりたくなかった大人、親だったのに…
幼いころの可愛そうな私と同じ思いを長女にさせていたなんて…
可愛そうな長女。
ごめんなさい。