「大統領ですって!?」
M.Tはいきなり“大統領暗殺”なんて大胆不敵な発言をするニッケルに思わず声を張り上げてしまった
「まぁ理由はどうでもいいさ。最初の3つの爆弾を仕掛けた理由は2つさ」
ニッケルは指を2本立てて話す
「1つ目はダルアンとエドフィードに爆弾に集中してもらい、計画を悟られないようにするためだ。彼らは勘が鋭いし頭も切れる。」
ニッケルは指を一本折って説明した
「2つ目は過去殺し屋が失敗している暗殺の為に増えた警備の人数を減らす為さ。まぁ地元警察も警備をするとは思わなかった。だからあちこちで爆弾事件を起こさせて警官をバラけさせる。それが3つの爆弾を仕掛けた本当の理由さ。そして最後の爆弾でダルアン達を誤認逮捕させる!!これが我々が一番に狙っていた事さ」
ニッケルのシリアスな顔が一気に不気味な笑みへと変わった
「誤認逮捕!?何でダルとエドが!」
「暗殺犯だと思わせる為さ。ダルアン達には最期の爆弾を見つけさせホッとしたときに、ヒントにしていなかった所に仕掛けた爆弾を爆破させる。今まで馬鹿正直に爆弾の場所を教えていたのだ。爆弾を一つ見つければ安心するだろう。そして警官に扮した我々の仲間が暗殺犯と言えば、過去命を狙われ気が滅入っている大統領は2人が犯人と思うはずさ。偽の犯人を逮捕した大統領は元気を取り戻しそのまま予定を進行させる。あいつはそう言う奴さ」
(まるで大統領の全てを知ってるみたい…)
M.Tがそう思うがニッケルは話を続けた
「警備に来ていた警官は最初の爆弾の後処理に向かうはず。すると大統領を護衛しているのは最初のSPだけとなる。しかも油断もしているだろうしな。まぁ警察に連行されて大統領が狙われている事実を知ったら彼らなら我々の計画に気付くだろうが、もはや手遅れだ」
ニッケル達が不気味に笑う