奈央と出会えたから。<268>

麻呂  2008-11-07投稿
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『奈央っっ!!何とか言ってよ!!何されたのよ!!青山に!!

本当にもう!!聖人は電話に出ないし、奈央は、黙りこくるしっっ。

もう‥‥一体何があったってのよ!!』


ユカは涙目になりながら、あたしにそう言った。



そして――



ユカの目から、キラッと光るものが見えたトキ、



あたしは、自分の浅はかさに、酷く腹が立った。



あたしって、どこまで性格がひねくれているんだろう。



どこまで、人を疑えば気が済むんだろう。



ユカとは――



また、仲がよかった頃のあたし達に戻れた筈なのに――



あたしの為に――



涙まで流してくれて――



ごめんねユカ――



ごめんねっっ――



『ユカ。ありがとう。あたしのコト、そこまで心配してくれて。

あのね‥‥別に青山さんに何かされた訳じゃないケド、忠告されちゃった。』



『忠告?!』



『うん。聖人から手を引けって。

さもないと痛い目に合うよって。

それと‥‥‥。』



『それと‥‥?!』


『うん。図書室に連れて行かれて、聖人と3年の女子が抱き合ってるのを見せられちゃった。』



『えぇっっ?!何よそれ。マジで?』



ユカは、あたしの話にビックリしてたケド――



『奈央。それってさ、よく考えたらおかしくない?!

だって、青山のヤツ、聖人と3年の女子が図書室にいるのを知ってたってコトになるじゃん。』



『あっ‥‥‥。』



ユカに、言われるまで、気付かなかった。



あたし、聖人が女の子と抱き合ってるってコトだけに、とらわれてて、



そこまで深く考えていなかったから。

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