ミユキは、昨夜の出来事を思い返していた――
(回想)
――アタシは確か…この男に引きずられるように、ホテルにやって来た。
お酒が一滴も飲めないアタシは、『メラミン』でのウイスキーにやられて、もうワケ分かんなくなってたっけ。
あ、そうそう。男がチェックインのサインしようとしてた時だ。
アタシは確か、こう言ったっけ。
「おいコラ、デブ!てめぇ、誰に許可取って自分のサインしてんだよ!『レディーファースト』って言葉知んねーのかよ!アタイが先にサインすんだよっ!」
と私は、男からペンを奪いました。
「キ、キャラ変わってますけど」
と男が言うので
「うーっせー!貸せ!」
と言ってサインすると、
「すいません…コレどう見ても、『ビヨンセ』って書いてあるんですけど」
って男が言うので
「うっせーな、デブ!コレのどこが『ビヨンセ』って書いてあんだよ!このクソ野郎がっ!…そーだ、お前はクソだ!『目には目を』!『クソにはクソを』だ!」
そう言ってアタシは、男を押し倒し…スカートをめくり上げて『ウ○コしてやる?!』と叫びながら男に馬乗りになった途端、気分が悪くなって…気が付いたら…男の顔は…ゲロまみれでした…。