航宙機動部隊前史後編・22

まっかつ  2008-11-09投稿
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ガニバサは徹底的にギャームリーグ三宙邦本国に同化したとされる。
敗北したとは言え、最強の軍事大国の名は伊達ではなく、今だ第一線で活用出来る人材・設備・技術等の遺産はうなる程あったのだ。
ギャームリーグの軍事統一言語であるアプリケーを自在に使いこなし、服装も食事も完全にギャームリーグ式を取り入れる。
そしてそれは、自分だけではなく、非ギャームリーグ人の部下にも勧めた。
普段着からして軍服みたいなものを纏い、栄養学的には完璧だが、簡素極まる上に味気ない食事に、彼等の不平は止まらなかったが、ガニバサが戦勝と説得を交互に繰り返す度に、次第に収まって行った。

旧ギャームリーグ人士達は、以外とあっさりガニバサを受け入れたと言うのが通説となっている。
元々長年軍事国家として闘って来た彼等は、尚武の気風にすっかり染まり、強い者は敵味方関わらず評価する習慣が身に付いていたからだ。
彼等からすれば自分達を打ち負かしたガニバサは、憎むべき仇としてよりも、最強の名将として畏敬される傾向が強く、よってその最強の人物が自分達を率いて闘うのを歓迎こそすれ、抵抗する理由は皆無に等しかったと推測される。
事実、ガニバサは卓越した作戦でギャームリーグを制覇したのであり、陰謀や工作で騙した訳ではない。
又、戦場以外での余計な破壊や民間人への乱暴等もほとんど無かった。
この点もギャームリーグ人士には好意的に受け止められ―結果として、ガニバサの対銀河連合戦に幸いしたとされている。

だが、銀河連合側にも学習能力が無かった訳ではない。
銀河連合一五五0年第二期七日(修正太陽暦四月七日)・銀河連合は、《元軍事関係者等再雇用復役化宙際条約》をさっさと締結し、失職軍人の内、銀河連合に忠誠を誓う者に限り、討伐・監視を凍結し、一定の年金を支給し、更には雇用の保証と銘打って、ガニバサとの戦争に動員しようとし始めたのだ。
これに、失職軍人達の半数が応じた。
《疑惑の一年半》始め、ガニバサの野心を疑う声は少なくなかったのだ。
そこを銀河連合が実にイヤらしくプロパガンタしまくった。

【ガニバサは我々銀河連合を倒した暁には必ず皇帝になるに違いない
例えば対ギャームリーグ戦でも彼は敵にかなり手心を加えて来たではないか
この日が来るのを知っての準備だったに違いない!】



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