「作られた目的…ね。」
ミシャルの表情にわずかに影がおちる。
「それを語るのに、私は相応しくないわ。」
「他に相応しい人間がいる、と?」
ええ、と頷いた。
「本当にそれを知りたいのなら【三種の神器】を作った者を訪ねるといいわ。」羽ペンをとりだしさらさらと羊皮紙に何かを書くミシャル。
そして書いたソレをこちらに渡してきた。
「彼を訪ねなさい。」
羊皮紙に書かれたある男の名前。
「レミス…?」
「ヘトラレスタの谷に住む人にあらぬ者よ。」
「人にあらぬ者…?」
どういう意味かと聞こうとしたがミシャルはそれ以上何も語らなかった。
「ヘトラレスタの谷に住む人にあらぬ者、レミスか」時計塔を出るとき、ふとラウフが呟いた。
「ラウフ?」
「いや、何でもない。
とりあえず、クラスへ帰るとしますか。」
軽く伸びをしながら歩き出す。
「…なんかあったか?」
ランスォールが聞いてみるがラウフはへらへらと笑って誤魔化した。
「別に。なぁんもねぇよ。」ラウフの青い髪が風に揺れる。
「早く行こうぜ?
ハラ減った。」
ぐぅ〜〜と気の抜けた音がして、四人は笑いながら時計塔を後にした。