当時の私は、桜の木が祖母のような暖かさが感じられたと思って、桜の木に懐いていたのでは？と思う。
「お父さん、何か木に挟まってるよ？」
春樹の言葉に私は、その挟まっていた物を引っ込抜いてみた。
紙には、「宝物をありがとう。大和君」そう書いてあった。
私は一瞬で桜の字と分かったが、宝物とは何だ？という疑問にかられた。
「お父さん、写真もあるよ？」
春樹の手にある写真は、なくしていたと思った写真だった。
その写真は、私と桜の家族が一緒に写っていた写真でもあった。
私と桜は、中学、高校も同じ学校に通っていた。
ただ、当時の私の学力では、行く事が無理だと担任には言われていた。私の成績は、桜よりも明らかに劣っていたので、それなりの高校にしろとも言われたが、「高校も同じ所に行けたらいいね？」
桜のそんな言葉を思い出して、必死に勉強をしていた。親にも諦めろと言われていたが、行くと言ったら行くのだと答えていた。
勉強は本当に嫌いであった。しかし、やらなければ桜と離れ離れになると思い、学校でも家でも、とにかく勉強をしていた。
そんな事をしていたためか、私は珍しく学校で倒れてしまった。
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