そのバイクの男は静かにヘルメットのシールドをあげた
男は眼光鋭く女を見る。
女も一瞬怯むが話し出した。
「ああっ..貴方がここの方?..ですか?...」
男は目を閉じると下を向きながら頭を小さく振った。
そしてゆっくりと顔をあげると、野太い声で言った。
「ちげぇ〜よ!!」
男はいい放つとまたバイクを発進させようとする。
女は慌てて両手を拡げ、そうはさせまいとする。
「まっ待って!話を聞いてください!!」
男はまた鋭い眼光で女を睨む。
女のすがる様な眼。
沈黙……
「はぁー――…っ」
男はしゃあない感丸出しで、サイドカーのエンジンを切る。
サイドステップを倒すと面倒くさそうにサイドカーから降りた。
有に180cmを超えるであろう長身の男は、
女に構わず小屋の表の方へヘルメットを脱ぎながら歩き出した。
女「えぇ―――!?」
慌てて後を追いかける。
男は小屋の中に入るとバイクの鍵を適当に投げ付け、
正面に置かれているやたら大きなソファーにドカッと腰掛けた。
間もなくして女も中に入ってきた。
今度は男が切り出した。
「でっ.何のご依頼ですか?.お嬢さん」
「え?」