その日の夜――
お母さんがスナックに出勤してから、
あたしは疲れていたせいもあって、早めに布団に入った。
『はぁ‥‥今日は、何か疲れちゃった‥‥‥。』
目を閉じると、直ぐに眠れてしまいそうな気がした。
聖人‥‥。
結局、今日は1度も話せなかった。
最近、朝も一緒に登校してないし‥‥‥。
家に帰ってからも、毎日1度は必ずメールの交換をしていたのに‥‥‥。
今日は、まだ来ていないし。
きっと、来ないだろうな‥‥‥。
ぐすんっっ‥‥聖人‥‥‥。
一体どぉしちゃったの‥‥‥?!
あたしのコト‥‥キライになっちゃったの‥‥‥?!
他に、好きな人‥‥出来たの?!
言ってくんなきゃ分からないよ‥‥‥。
全然分かんない‥‥‥。
聖人が‥‥分かんないよっっ‥‥‥。
う゛‥‥涙が耳の下を通って、首筋まで流れて来た。
冷たっっ。
テ‥ティッシュ!!
テーブルの上に‥‥
手‥‥手が届かないっっ!!
あ‥‥やった。
取れたっっ!!
ち〜〜んっっ。
ぐしゅっっ。
もう‥‥何1人でバカやってんの、
あたしはっっ。
情けなくて、惨めになって、
何だかまた、
泣けてきた。
『ふ‥‥ふぇっっ‥‥‥うっ‥うぐっっ‥‥うあぁぁぁ〜〜〜んっっ!!
聖人のばかばかばかばかばかやろおぉぉぉ〜〜〜!!
うっうっ‥‥う゛ぁか、う゛ぁかあぁぁぁっっ‥‥えっえっえっえっ‥‥‥まさどの、ぶぁかあぁぁぁ‥‥‥‥。』
大声出して泣いたら、
少しは、スッキリするのかと思った。
さっき、公園であまり思いっ切り泣けなかったから。
明日、目腫れちゃうだろうな‥‥‥。
一重になっちゃうよ‥‥‥。
いやだなぁ‥‥‥。
その時――
あたしの携帯が鳴り響いた――
♪ ♪ ♪ ♪ ♪〜♪
BOOWY の Dreamin'。
ひゃっっ☆
ま、聖人だっっ!!
しかもメールじゃなくて、
電話だよぉっっ!!