「何かあったのか、話すよ。ミリス姉ちゃん。…でも、多分、これを聞いたら、姉ちゃんは僕を今までのようには見てくれなくなるかもしれないけどね…」
ロイはそう言って、憂いを帯びたような表情で、寂しそうに笑った。
「…ロイ…」
「僕には妹がいたのは知ってるよね?妹…リアは大切な妹だった。兄さんや父さん、母さんも同じだった…」
「…でも、確か、病気で亡くなってしまったのよね…。リアちゃんは…」
「違う」
ロイは苦しそうな表情で、首を横に振った。
「違う…って、まさか、事故に遭ったの!?どこからか転落したとか…」
「殺したんだ」
「…え…?」
ミリスは大きく目を見開きながら、ロイの口から出た言葉が自分の頭の中にぶつかって、その衝撃が全身に広がっていくのを感じていた。
「ち、ちょっと待って…殺したって、誰が…?」
「僕だよ」
「!!」
全身の筋肉が硬直したかのように、ミリスは少しの間、ぴくりとも動く事ができなかった。
「僕が…殺したんだ…」
…う、嘘よね、…いえ、違う。ロイは人を殺すような男の子じゃなかったわ―\r
「何があったの?ロイ」
ミリスはぎゅっと拳を握り絞めながら首を横に振ると、真っ直ぐにロイを見つめて、尋ねた。