草むらに向かって歩き出す。
目の主はまだこちらを睨み付けている。
…うーん、何かあの眼、猫や犬ってよりも人間に近い眼だよな。
てことは猿かな?
でもここら辺に猿の集落なんて無いよなぁ。
それとも暫く来ない間に住み着いたか?
草むらの傍に寄る。
目が消えた。
ん、逃げちゃったか?
…いや、どうやら奥に引っ込んだだけのようだ。
威圧感と殺気を感じる。
覗いた瞬間殺されるんじゃないかっていう位の…。
怖いな…。
だがその恐怖心もこの俺の知的好奇心に勝てるわけではない!!
俺は心の中でそう叫び意を決して草むらの中を覗き込んだ。
固まった。
「…えーと…」
俺の予想では人間の眼ぽかったから猿かなんかだと思っていたんだけど、ホントに人間の眼だったんだなぁ…。
しかも女の子だし。
歳は見た感じ俺と同じくらいか…。
しかし、随分と目付き鋭いな…。
うーん、ボロボロな服装から考えて過酷な日々でも過ごしていたのだろうか?
――で、ちなみに固まった理由はというと…。
「…えーと…すいません。
覗いたのは謝りますからその…喉元のナイフを退けてくれませんか?」
続