あの子

さえら  2008-11-11投稿
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俺はこの前、高校に入学した。
たいしたレベルじゃない。
普通の学校だ。
俺は期待に胸をふくらませ…
なんてことは言わないが、少しの期待を胸に、俺の名前がかかれたクラスにはいった。
クラスにはまだそんなに人はいない。
(少し早めに来すぎたかな…。)
なんて思いながら、俺は自分が座る席を探した。
教室を見渡すと、黒板に座席表らしきものが貼ってある。
俺の席は窓際の後ろから2番目。
(うしろのほうじゃん!ラッキー♪)
そんなことを思って、俺は自分が座る席を見た。
女の子がいた。
俺の席に、ってことじゃない。
俺の席の後ろに、その子は座っていた。
顔はよく見えない。
なぜだかわからないが、首の力を最大まで脱力しているようにうつむいている。
不気味だなぁ…、俺あの子の前なんてヤダよ…。
と思いながらも、席につかないわけにはいかない。
少し緊張しながら俺は席に向かった。
自分の席に近づくにつれ、あの子のこともよく見えてくる。
遠くからじゃわからなかったが、艶のある黒髪。
アゴも結構シャープな感じだ。
(この子、意外と可愛いんじゃないか?)
と、まだその子が不気味ではあったが、外見を想像すると、大和撫子を思わせるような美人像がうかんだ。
それでなんとなく最初にこの子を見たときよりは、不気味だとは思わなくなった。
でも服装をよく見ると、一応この学校の制服ではあるが、なんだか古い。
色褪せた感じがするし、少しほこりっぽい気がしないでもない。
(お姉さんのお古かなんかか?)
と、服装にたいしてはあまり気にならなかった。
それより気になるのは、何日かこの学校で生活しててわかったが、一度もあの子が顔をあげないことだ。
いつでも首に支えがないかのように、だらんと下を向いている。
クラスの女子達も誰もあの子に話しかけようとはしない。
確かにそんな子と一緒にいたくはないだろうが、それでも少しぐらいは気にかけてくれたっていいと思う。
まぁ、俺は男だから話しかけずらいし…。
やっぱりこういうのは女子の仕事なんだって思う。
誰かがあの子に話しかけてくれたら、俺も話しやすいんだけど…。
なんたって誰もあの子に話しかけようとしない。
その上、あの子がいないみたいにみんな生活してる。


なんか…
おかしくないか…?

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