帰りには公園で
ハンドタオルを水道で濡らし制服の汚れを落として
家に帰っていた…。
家に着くと母親が
「遅かったね…?」
「うん…友達んちで勉強
してた…。」
そんな会話をよくしていた…。
本当は友達なんて一人もいないけど…。
家族には言えなかった…。
姉は高校を卒業し近くの
建設会社で事務の仕事を
初めていた…姉は父親に
似て近所でも評判の美人
優しく強い人だ…。
母親は大型量販店で
働く…。
愚痴を言わない人だ…。
中学の三年間…。
いい思い出なんて
ない…。
嫌な事ばかりだ…。
そんな学校嫌いな俺は
メンツもあって
2日休んだだけで
ちゃんと学校を卒業した。苦しかったけど…。
味方がいないのは
本当に苦しく、悲しい
もんだ…こんな姿
父親が見ていたら
なんて言うだろう…。
そんな事ばかり考えて
いた…。
しかし、そんな俺が唯一
楽しかったのは
父親が残してくれた。
ギターだった…。
このギターを毎日、練習し三年間でかなり上手く
なったと思う…。
左手の指先が硬くなって
いた…。
これが音楽との出会いだ。