第三章『嫉妬』
DVDを借りに行った時だった。
「あっ元カノの車、、、入りづらいし後から来ようか」
私は胸が痛くなった。
もぅなんの関係もないんじゃないの?
「4年付き合ってたって人?別にいいじゃん。借りてこよう」
「うん、、、」
大心が付き合ってた人ってどんな人だったんだろう。見たいような見たくないような。
2人で車を降りてエレベーターに向かった。
「わっ近所の人、、、」
私は少し離れた。私達が付き合っている事は大心の両親には内緒だったから近所の人から耳に入るかもしれない。
大心は先にエレベーターで一階へ降りていった。迎えに来てくれると思って待っていたけどなかなか上がって来ない。
しばらくして三十代前半のカップルが階段の方から上がってくるのが見えた。すごく落ち着いた大人の女性。
するとあの車に乗るのが見えた。元カノだ、、、私は自分が惨めに思えた。Tシャツにジーンズで髪はボサボサ、、、
見なきゃよかった。
エレベーターが上がってきた。ドアが開いて
大心は
「ごめんね」そう言った。
「元カノみたよ。キレイな人だね」
大心も会ったらしい。声をかけてきたみたいで、、、
私は泣いてしまった。
「どうした?」
「私可愛くないし子供だし、、、なんで声なんてかけてくんの?」
嫉妬、、、
私がこんな妬くなんて
こんな事で泣いてしまうなんて
「俺の彼女は理恵だけだよ。自信もってよ。」
そう言って頭を優しくなで軽くおでこにキスをしてくれた。
私は強がりで甘えるのが苦手で嫉妬深くて大スキな大心を独り占めしたかった。
もっと早く出会えてたらよかったのに、、、
大心の記憶の中から今までの女を消せたらいいのに
そう思った