ギターを来る日も来る日も練習した…。
何かを
忘れるかのように…。
ギブソン・ハミングバード世界でたった一つの宝物。
ある日、クラスのやつが
ゲーセンのユーホーキャッチャーで取った人形が
俺に似てると言い出した。
一日一回、君の願いを
叶えて上げる不思議な人形と書いてある…。
それにかこつけて
「なあ〜バンジャマン〜
俺たちにアイスクリーム
買って来てくれよ〜」
「俺が…」
「一日一回願い叶えて
くれるんだろう〜?」
ただ似ているだけなのに…抵抗したかった…。
でも、クラス全員敵だった…。
目の前にいるのは
ぐしゃぐしゃ頭の
あの人形だけだ…。
それ以来、イジメは
激しくなった…。
通称・バンジャマン人形のせいで俺は世界で一人っきりの気分だった…。
俺がこの世で生きる意味はなんなのか?
きっとないんだろう…。
父親の代わりに俺が
死ねばよかったんだ!
家族には一切不満は
なかったのが幸いだった。
家に帰ると
姉があのバンジャマン人形を持っていた。
「公に似てると思わない?かわいいよね〜」
俺は「本当だ…似てる」
言いたくない言葉を口にしていた…。