エリザベスドール?(3)

ぐうりんぼ  2008-11-12投稿
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 一生懸命だったと言うシェリー。

 人形騒動がキッカケで、マルスはルークに対して娘との交際を断っていた。

 娘が人形に襲われた経緯を知って、やむなく決断したのである。

 キャサリンが精神的ショックを受けてしまった事に、責任を感じていたルーク…

 マルスの要求を呑み、キャサリンとの別れを覚悟した。

 人形騒動が一段落した時…

 ルークとキャサリンの強い絆を目の当たりにしているシェリー…

「2人の交際を続けさせて欲しい」 

 こう、嘆願した。

 マルスは説明する。

「別にルークを嫌ったり、憎んだりしているんじゃない」

「では何故?」

「事件の事を忘れさせる為だよ。そうする事で、静かに療養出来るしね」

「なるほど」

「私だって、辛いよ。
 2人の仲を断つんだからね。分かるだろう?」

「お気持ちは十分わかります。
 でも…」

 シェリーは2人の状況を説明し、理解を求めた。

 最初はシェリーの要求を強く拒んでいたマルス…

 相手の熱意に感化されて思いを変えた。

「分かった。2人の交際を続けさせよう」

「ありがとう」

 笑顔のシェリー。

「但し、条件がある」

「条件?」

「病院へ見舞いに来ても構わないけど、娘に接見する事だけは控えて欲しいって、彼に伝えてくれないかな?」

「直接、触れ合う事は、出来ないんですか?」

「彼氏の顔を見たら、娘は絶対…あの悪夢を思い出してしまうハズだ。
 そうなれば、病はいつまでたっても治りやしない」

「…」

「ルークは素直だそうだし…、きっと分かってくれると思うけどね」

「ルークに話してみます」


 ────────

「なるほどね」

 シェリーからの話しにルークは已むなく、マルスの条件を受け入れる事を決めた。

 キャサリンと直接、触れないのはルークにとっては残念な事。

 でもこうして…

 モニターの映像越しだけど…

 キャサリンの顔を見る事が出来るだけでも、ありがたい事だ。

 が…

 映像の中のキャサリンの姿に、ルークの表情は暗かった。

 異常に痩せ細った体…

 老婆のように、やつれた表情…

 まるで…

 別人のようになってしまったキャサリン。

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