「何て事だ」
「入院する前はあんなに痩せ細っていなかったのに…」
「スタッフの人たちに、聞いてみれば良かったよね?」
「聞いてみた」
「何て言ってた?」
「それが…、原因が分からないみたい」
「分からない?」
「ここの病院に来てから、みるみるうちに痩せ細っていったと言うのよね。内臓とかは別に、異常はないって言うし」
考えるルーク。
ジョージの考えは…
「ハッキリとした事は言えないけど…、キャサリンは目には見えない存在に…かなりの霊力を奪われていると言ったらイイ」
超常現象に詳しいジョージの考えである。
「奪われているって?」
「ホラ、意識はあるけど…、何となく無気力状態だろ? あれは…、
生命力を奪われてしまった結果だよ」
「目に見えない力って、誰の?」
「多分、彼女を襲ったエリザベスと言う人形だろう。あの人形を動かしている何かが、キャサリンから霊力を吸い取ったと考えられる」
「人形を動かしていると言えば、ジーナの霊だ」
「バーソロン会長の令嬢ね。何の為に、他人の霊力を奪うの?」
「それは僕でも、説明出来ない」
「専門知識なお前でも、分からないんだ」
「まあね。ただ…
他の霊に憑依されるされない関係なく、あの人形は動いていたと言うんだったら…或る程度の説明は付くけどね」
「人形自体が動いていたって言うのか?」
「ああ」
「まさか、そんな事は有り得ないだろう」
「元々は、ただの作り物に過ぎないのよ」