気にしないで．．私．．いつまででも待ちますから」
《和彦さんの今の心境に比べたら私なんか．．
ちゃんと支えていかなくちゃ．．》
和彦 《知っているはずだ．．
こんな時でも姿を表さないいのか．．なぁ．和真》
以前和彦さんから一度だけ聞いた事がある
「弟がいるんだ、でも事情があって今別々に暮らしているんだ」
《何か特別な理由があるんだわ、もうこの事は聞かないようにしよう．．》
弟とは和彦の1歳年下で名前は和真。
父親である峰崎幸藏と
使用人であった愛人との間にできた子供である。
その愛人も和真を産んで間もなく病気で亡くなった。
やむなく幸藏がひきとって住まわしたが、
当然の如く昭子夫人からは憎まれて、
何かにつけ和彦とは差をつけた。
面倒も使用人に任せ全く相手にしなかった。
その後和真は、16才になったある日突然姿を消した。
和彦にあてた手紙だけを残して．．
【和彦兄さんごめんなさい…僕我慢したよ…でもだめなんだ…ここに居ちゃいけないんだね…よくわからないけど…僕を必要としてくる何かを探しにいくよ。
唯一僕の味方だった和彦兄さんへ
和真】
四十九日も終わり和彦は、スカイ峰株式会社社長に正式に就任した。
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