時と空の唄10-1

花神 ミライ  2008-11-13投稿
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リリーラやレンデル、町長に見送られ、昼過ぎにはクラスを出た。
クラーンの港に向かいながらヘトラレスタの谷について話す。
「ヘトラレスタの谷って言えばこの辺…ですね。」
雪が指した町は懐かしい、そしてランスォールとシーラの出会ったキジルだった。
「キジル…か。」
「まさか戻ることになるとはな…」
「あいつら、元気かな。」
教会に残してきたまだ幼い血の繋がりすらない弟妹を想い、ランスォールは空を仰いだ。
「大丈夫よ、きっと。」
港には既にキジル行きの船がいてギリギリでどうにか乗り込んだ。

船は陽気に汽笛を鳴らし、のんびりと海を渡る。
海鳥は風に漂い、舞うように自由な空を綿雲が浮かんでいた。
「はぁ〜〜。平和だなぁ」
「あ、ランスオヤジ臭い。」「うわ、なんか傷ついた」
緩やかな海を眺めてランスォールとシーラは笑った。「キジルってどんな所なんですか?」
ベンチで寝転んでいるラウフに雪が声をかけた。
「あれ、船酔い大丈夫なのか。
…そうだな。賑やかな街だよ。沢山の店が所狭しと並ぶ活気ある港町かな。
それがどうかした?」
「いえ。ただ、最近はちょっと楽しみなんです。皆さんと色んな町を訪れるの」嬉しそうに笑う雪の笑顔は幼い少女のものだった。
「そうか。
……っと見えてきたな。」船の行く先には活気ある港町キジルが見えた。


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