永遠の愛を誓いあった、私の最愛なる夫。夫とは今から5年前、この広い大地、北海道で出逢った。夫は函館。私は富良野。2人を結びつけたもの、それは「文通」だった…恋は手紙から始まり、やがて恋愛へと進化していったなか、結婚という道へゴールイン!ところが、結婚をして3ヶ月頃、私の体に異変は起きた。ある日の朝、夫を仕事へ送り出す前、キッチンで朝食を作っていると突然、猛烈な激しい吐き気、腹痛に襲われた。その後、しばらく日付が経って、生理でもないのに不正出血、生理期間がたったの3日と、明らかに体が悲鳴を上げている!
夫と相談後、夫のすすめで産婦人科に行くと、体調不良の原因が医者によって判明した。排卵がなく、両卵巣が卵管に付着しているそうな。無排卵に関しては、排卵誘発剤かホルモン注射で、何とか治療ができる。卵巣の付着については、オペが必要だという緊急事態!このままでは、子供が授からないとまで言われた、苦しい現実!横で一緒に話していた夫は、思わずこんな言葉を医者にぶつけた。
「先生、真由には何の罪もない。子供を授かることが、夢なんです!もうこれ以上、何も言わないで下さい!真由を苦しめたくないんです。悲しませたくないんです。体にメスの傷跡なんて、残したくないんです。医者だったら、妻の傷み、分かってやってくれ…お願いです!」
私は涙をぬぐいながら、夫に言った。「あなた、ありがとう。もういいの。いいのよ!コウノトリ、海底に沈んじゃったね。今はダメでも、いつかまたコウノトリは来るわよ。」
誘発剤にホルモン注射と、体の負担になることはしたくない。メスの、お世話にもなりたくない。自然がいいの、自然が…夫と一緒にいられることが幸せだから、たとえコウノトリが海底へ沈んでも、私は負けないよ。あなたに出逢えてよかった……