『序章』
毎日毎日刺激がない、かったるい日常。
毎朝同じ時間に機械的になる目覚まし時計に起こされ、朝食を食べ、学校にいき、同級生と下らないテレビの話や、誰々が好きだ、などの下世話な噂で盛り上がり、終業のベルと共に大きくなってから苦労しないように、などと言う大人の理窟に従って予備校に通い、社会にでたら使わなくなる微分積分やら年号やら元素記号を頭に詰め込み。
本当にイライラしてくる。
大人達が勝手に決めたルールのなかで、しかもだ、都合が悪くなる度に自分勝手にルールを変える連中の杓子定規のなかで生きて行かなきゃいけないこの苦痛。
お前ら大人達に解るのか?解っていたのに忘れたというのか?
オレはそんなに我慢強い方じゃないんでね。そろそろ、お前らに目にものを見せてやる。
かなりの時間が掛かってしまったが準備は整った。
さあ、お前達大人を相手にした、壮大なゲームを始めようか。
お前達はこのゲームを拒むことは出来ないさ。何故なら…。
まあ、いいや。全ては始まったら解るからね。
じゃあ、君達の健闘を祈るよ。
(200×年11月末日警視総監宛に届いた脅迫分より)