和彦の社長就任から半年後
【有紀と和彦の結婚式前夜】
有紀の携帯が鳴る。
電話の主は警察署からである。
《わたくしは……警察署の加藤と申しますが
和彦さんのご婚約者の宮沢有紀さんでいらしゃいますか?》
「そうですがなにか?」
《..実は峰崎和彦さんのことなのですが
今日の昼頃にご自宅のマンションから落下されるという
事故がありまして....》
「ぇ?!...」
《病院に運ばれましたがほとんど即死の状態で…
……自殺の可能性が……高く………》
「ま.さか..なんで......うそ」
目の前の景色がぐるぐる回りだした。
何種類もの染料を混ぜた液体を勢いよく掻き回したかのようで、
しだいに真白になり..
有紀はそのまま意識を失った。