「あら、なんの写真?」
看護師の平田さんがカーテンを開ける。まぶしい。
「彼女の写真?」
違う。短い時間だったけど、大事な友達だった。
あの夏、友達を失った。
小林が亡くなって、一ヶ月が過ぎた。
結衣はあの日から学校を休んでる。
心配で結衣に会いに行く。
久しぶりに会った結衣は、泣きすぎたのか眼が腫れていた。
「大丈夫?」
「うん」
それからしばらく沈黙していたら、結衣が泣き始めた
「‥寂しいよ」
「結衣‥」
結衣が泣いている。
「抱きしめて‥キスして」
そう言って結衣は俺に寄り掛かった。
結衣との初めてのキスは涙の味がした。
結衣がシャツのボタンをはずしはじめた。
寂しい気持ちを埋めるように、俺達は抱き合った。
それから結衣が卒業するまで、抱き合った。