Determination 6

ハル  2008-11-17投稿
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3月。卒業式。
結衣と学校で顔を合わせるのも今日が最後になった。
結衣と出会い、小林と出会い、いろんなことがあった。その思い出だけを残して、結衣は卒業していく。
体はあっても、結衣の気持ちは俺にはなかった。
小林を見てたんだと思う。ぽっかり開いた結衣の心に無理矢理入ったのは俺‥
結衣を好きだった。寂しいだけで俺といたんだとしても、好きだった。
結衣に気持ちを伝えて、ここから始めたいと言おう。
メールで結衣を、音楽室に呼んだ。
「卒業おめでとう」
「なんとか卒業できたよ!」いつもと変わらない結衣。小林が死んでから、笑顔の後には寂しい目をしている結衣がいた。

「俺、結衣の傍にいるだけだったけど、これからは傍にいるだけじゃなく、結衣がもっと笑顔でいれるように、一緒にいたい。だから付き合ってほしい」
「………」
結衣はしばらく黙って、
「はるくんには、ほんとに優しくしてもらったね。いっぱい元気もらった。‥でもね、これからは誰にも頼らないで、自分で前を向いて歩いていこうって決めたの。はるくんにはいっぱいいっぱい、ありがとうの気持ちがあるけど、結衣はもう大丈夫だから。……ごめんね。」
結衣の目からボロボロ涙がこぼれた。



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