『‥で‥‥どう思った‥‥?!』
コトのいきさつを全て知った後は――
ただ、
安心したかったんだ――
『‥‥どうって?!何が?!』
聖人の返事に、
あたしは少し苛立っていた。
『分からない?!
今の話の流れで分かるじゃん、普通。』
言い終わってから気付いた。
ちょっとキツイ言い方をしてしまったコトに。
『何怒ってんだよ。俺、何かした?!』
ヤキモチ?!――
悔しいから、
そうだと認めたくない自分がそこにいた。
『もぉいいよ‥‥。』
聖人の鈍感。
女のコのキモチ、
少しは分かってよっっ。
『ごめんな。俺、よく分かんなくてよ‥‥‥女のコのキモチ。でも俺、奈央のコト、すげぇ大切に思ってるから‥‥。』
そうやって、優しく抱きしめられると、
あたしは、怒っていたコトさえも忘れてしまう――
このままずっと、
あなたの腕の中に、
寄り添っていたいって思うんだ――
『‥‥あたしだけを見ていて‥‥‥。』
そう――
あたしに足りないモノ――
『‥‥えっっ?!‥‥あ‥‥‥。』
それは――
自信を持つコト――
『あたしのコトだけを見ていてほしいの。』
カアァァァ―ー‐
あたしの言葉に、
あなたは一瞬、驚いた顔をしていたよね――
真っ赤になって、
うつむいてしまったあたしを、
あなたは優しくキスしてくれたよね――
『耳まで真っ赤‥‥!!クスッ‥‥‥。』
2人だけの優しい時間――
あたし達は、
リビングのソファーに、2人で寄り添っていた。
ずっと、ずっと‥‥
このまま、あなたに抱きしめられていたいって思った。
あなたが、いつも付けてる“スカルプチャー”の香りがする。
大好き‥‥‥。
そのまま寄り添いながら――
あたし達は、
いつの間にか眠ってしまっていた――