奈央と出会えたから。<278>

麻呂  2008-11-18投稿
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『‥で‥‥どう思った‥‥?!』



コトのいきさつを全て知った後は――



ただ、



安心したかったんだ――



『‥‥どうって?!何が?!』



聖人の返事に、



あたしは少し苛立っていた。



『分からない?!

今の話の流れで分かるじゃん、普通。』



言い終わってから気付いた。



ちょっとキツイ言い方をしてしまったコトに。



『何怒ってんだよ。俺、何かした?!』


ヤキモチ?!――



悔しいから、



そうだと認めたくない自分がそこにいた。



『もぉいいよ‥‥。』



聖人の鈍感。



女のコのキモチ、



少しは分かってよっっ。





『ごめんな。俺、よく分かんなくてよ‥‥‥女のコのキモチ。でも俺、奈央のコト、すげぇ大切に思ってるから‥‥。』


そうやって、優しく抱きしめられると、


あたしは、怒っていたコトさえも忘れてしまう――



このままずっと、



あなたの腕の中に、


寄り添っていたいって思うんだ――



『‥‥あたしだけを見ていて‥‥‥。』


そう――



あたしに足りないモノ――



『‥‥えっっ?!‥‥あ‥‥‥。』



それは――



自信を持つコト――


『あたしのコトだけを見ていてほしいの。』



カアァァァ―ー‐



あたしの言葉に、



あなたは一瞬、驚いた顔をしていたよね――



真っ赤になって、



うつむいてしまったあたしを、



あなたは優しくキスしてくれたよね――


『耳まで真っ赤‥‥!!クスッ‥‥‥。』



2人だけの優しい時間――



あたし達は、



リビングのソファーに、2人で寄り添っていた。



ずっと、ずっと‥‥


このまま、あなたに抱きしめられていたいって思った。



あなたが、いつも付けてる“スカルプチャー”の香りがする。



大好き‥‥‥。



そのまま寄り添いながら――



あたし達は、



いつの間にか眠ってしまっていた――



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