『お前の全てを奪ってやる』
泥まみれでボロボロの青年が高井秀に向けて放った言葉だ
『例え死んでもお前を殺す』
『ふんっ』
高井は相良将治に背を向けその場を後にした。
事の発端は、相良の妹のいじめについてだった。
妹の詩織は１週間程学校を休んでいた。将治がいじめに気付くのもそう遅くはなかった
『おいっ岸田てめぇ』
相良は岸田の言い分も聞かず気絶するまで殴る蹴るを繰り返した。
この事件が公になり相良は自宅謹慎処分となった
ピンポーン
『…誰だ？』
ドアを開けると目の前にいたのは岸田だった。
将治は何も言わず殴りかかろうとした。
『ちょっと待てよ』
『何だ？』
『妹をいじめたのは俺じゃねぇ高井だ』
沈黙が続いた
『嘘つくんじゃねぇお前だと言う話を何人も聞いたんだ』
『確かにな。だが襲っちゃいないぜ』
岸田は、にやついた
『まっまさか…』
『妹さんショック受けるのも当たり前だろうな』
『…くそっ』
『何か様があるならその場で言ってくれないかな？』
高井は、友達も少なくクラスでも何を考えているのかわからない不気味な存在だった
『答えろ、妹に何をした？』
『俺は何もして……フフフハハハハ』
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