ライルは首を傾げると、
「名前は何といったかな…確か…うーむ…」
と、唸りながら、口をモゴモゴと動かした。
「サリア。どうしてロイ君の友達が気になるんだい?」
セイルは不思議そうな表情で、サリアに問いかけた。「いえ…その…そんな事があったのなら、誰か励ましてくれる友達がいたんじゃないかな、と、思ったんです。それと…リアちゃんを失って悲しんだ友達も…いたんじゃないかって…」
「!」
ライルはそれを聞いて、何かを思い出したかのように、大きく目を見開いた。
「…そうだ、思い出した。確か、あの子はうちに来た時に、ロイに向かって『この、人殺し!あんたのせいで、リアは死んだのよ!』と叫んで、一目散に家から出て行ったんだ…」
「え…?」
「その後、あの子の家族は町から姿を消した…。理由は分からないが…」
ライルはそう言った後、小さくうめいて、ぎゅっと唇を噛み絞めた。
「確か…あの子の家庭は色々と問題を抱えていたようだったな…。あの子は責められんだろう…」
「…」
「…」
三人は沈痛な面持ちで、再びため息をついた。
ランプの灯は三人の顔を見つめながら、悲しげに揺れ動いていた。
「黒幕が分かったじゃと!?」