かなしい。

たまき。  2008-11-19投稿
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泣き叫ぶ幼子。
耳に響く慟哭。
私は。
動くことも考えることもできずに。
ただそこに座っていた。

――忘れられない彼女の悲鳴。
引き裂かれ、押し退けられて。
ボロボロに傷ついて。
それでも立っていられたのは。
まだそこに揺るぎない信念があったから。
醜くてもとにかく生きてた。
その一番大事にしてきた思いまで折られたら。
一体誰が耐えられるというのだろう。

私の、せいか……。

見捨てたから。

そうしないと私の精神がもたないと思った。
私は「私」を守るために。
「彼女」という犠牲を払った。

ねぇごめんね。
ごめんね。
ごめんね……。

傷つけるつもりはなかったんだ。

月のように白いその顔を伝う涙を。
見たいと思ったことなんて一度もなかったんだ……。

だけどあなたは。
きっと私を恨むんだろうね。
いつまでもいつまでも避け続けて。
私への憎しみを膨らませて。
そうすることで生き甲斐を感じて。
生きていくんだろうね。

どうしてこんなことになっちゃったのかな。

何がいけなかったんだろう。
どこからが「間違い」なんだろう。

神様。
間違った所からやり直しすることができたなら。
私があの子を傷つけることはなかったんでしょうか。

泣かせることもなかったんでしょうか……。



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