高2の夏休み、バイトにでてた俺は、結衣と再会した。5ヵ月ぶりだった。
東京の大学に入学して、久しぶりに地元に帰ってきた結衣は、前よりもずっと綺麗になってた。
「久しぶりだね」
「そうだな‥いつ帰ってきたの?」
「昨日。お墓参りに帰ってきた」
「小林?」
「うん。たくましくなった自分を見せにね」
結衣は笑顔だった。あの時までの、寂しい目をした結衣じゃなくなってた。
「もうじきバイト終わるから、一緒行かない?」
不意に出た言葉。
「うん。じゃあ、ここで本見てるね」
この本屋は座り読みできるように、テーブルと椅子がある。
結衣から目が離せなくなってた。
「あの人、遥斗の元カノだよね〜?」
結衣に気づいた葵が寄ってきた。
「俺ら付き合ってなかったけど‥」
「嘘〜付き合ってるって噂あったけど」
「俺の片想いだったけどな」
突っ走ってた片想い。
バイトが終わり、結衣と墓参りに行く。
花と、小林が好きだったコーラを供えて手をあわせた。結衣は小林になにを話したんだろう…
帰り道、結衣から、大学で好きな人ができたと聞かされた。
結衣は幸せそうに笑った‥複雑だった…