誰が為に我は走る3

仲 技  2008-11-20投稿
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それは私が二女で一番下だったいう事にある。何でも後回しにされ、さびしさがあったのだと思う。何としても父に認めてもらいたい、そのために厳しい稽古にも耐え、高校もスポーツ特待生ではなく一般入試で入学した。だが、父は私を認めてはくれなかった。やがて私は父を憎むようになっていった。何故?何で認めてくれないの?頭の中は認めてくれない事への怒り、悔しさ、憎しみばかりだった。当然、練習にも集中できるはずがない。そんな中でアクシデントは起きた。練習中の一瞬の気の緩みから同僚と接触し転倒した私の上にその接触に巻き込まれた男子部員が乗っかる形となった。左腕は複雑骨折、私の剣道人生は幕を閉じた。帰り道、私はまるで行き先を見失った旅人のような気持ちだった。

「そうか・・。」
父は私の病院での話に静かに答えた。
「・・・期待に答えられなくて・・ごめんなさい。」その言葉に父は私を見て呆れた表情を見せた。
「期待・・か・・。」
一言そう言うと部屋を出ていった。
「静奈、今日はもう休みなさい。疲れたでしょう?」母の言葉に私はかすかにうなずいた。



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