タイトル訂正
エリザベスドール
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エリザベスドール?(10)
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本文
首の部分を見てみる。
顔の右上半分が吹き飛んで、見るも無惨な姿。
左目はまぶたが閉じられていた。
あの時の…
悪魔の目のような鋭い眼光は、一生忘れられないだろう。
今まで逮捕してきた数多くの凶悪犯よりも…
恐ろしく、不気味な存在だったからだ。
「化け物人形が…」
つぶやきながら視線を逸したモグレ。
この時…
人形の閉じていたまぶたが開き、ギラリとした鋭い視線がモグレの後ろ姿を追った。
勿論…
モグレは気付かない。
部屋のドアが開いて1人の警官が入って来た。
同じ署に勤務するマーティ巡査である。
モグレに対して敬礼。
「警部、ただいま到着しました!」
「ご苦労。噂の荷も一緒だろうな?」
「ええ勿論。すぐに運び入れますか?」
「うむ、そうしてくれ!」
「では持って来ます!」
急いで部屋を出たマーティ巡査。
モグレの感情が高まっていた。
早く荷を見たい!
見るのが怖い!
心の中で、この2つの思いが交錯し、より感情を高ぶらせているのだ。
しばらくして…
マーティ巡査が戻って来た。
「こっちだ!」
彼の指示で、運送業者のユニホームを着た2人の男が、荷物搭載用の平台車を転がして来た。
台車には高さ約1m以上の木枠梱包の荷が載っている。
2人は荷を床に置くと、一緒に積んであったハンマーやバールで木枠を取り外し始める。
「警部さん!」
ヒース助教授が慌ただしく戻って来た。
「人形が来ましたゾ」
「来ましたか!」
ヒース助教授の感情も高まって来た。
木枠が全て取り外されると、段ボールの包みが破られた。
中から出て来たのは縦置きのガラスケース。
ケースは予め用意されていた台の上に据えられた。
作業していた1人がケースの扉を開けると、中に詰め込まれていた緩衝材類を取り出した。
中には綺麗な等身大の人形が入っていた。
しかも…