「お兄ちゃん、これあげる!」
振り返ると4、5歳くらいの女の子が立っていた。
手には、小さく折った手紙が握られていた。
小さな手から渡された手紙……
そこには、僕の似顔絵と、小さな彼女の名前が記されていた。
僕は28歳であった。
その日から交換手紙が始まった。
カワイイキャラクターのレターセットに出来るだけ大きく平仮名で短い文を書いた。
何通も、何十通も、何百通も………
今は、その小さな女の子に似た娘がいる。
50歳の私と、25歳の嫁と5歳の娘である。
今でも、交換手紙は続いている。
小さな小さな彼女の手から………