もぉ。
お母さんたらっっ。
最近、テレビや雑誌で、若い男のコが出ていたりすると、
直ぐに夢中になってるみたいだケド、
聖人は、あたしのカレシなんだからねっっ。
『お‥‥おはようごさいます‥‥!!
昨夜は、突然お邪魔してしまいまして、すみませんでした。
毛布を掛けて頂いたり、洋服を用意してくださったりと、
色々とお気遣いありがとうございました。
あの‥‥俺‥じゃなくて‥僕、これで失礼致します!!』
聖人は、
少し緊張した面持ちで、
少しバツが悪そうに、
母に挨拶をした。
『聖人君。そのケガは、どうしたの?!』
母は、あたしが手当てした聖人の目元と口元の傷を見るなりそう言った。
『‥‥ちょっとしたケンカで‥‥‥。』
更にバツが悪そうに答える聖人。
『そう。元気がいいのね聖人君は。
これからも奈央を、よろしくお願いしますね。』
母は、それ以上のコトは何も聞かず、
にっこり笑いながら、
聖人に、そう言ってくれたんだ。