『どうして?』
あいつのメアドと、この言葉が携帯に表示された瞬間。
俺は青ざめた。
いや、そんなレベルじゃない。
もう体中の血が全て凍ってしまったようだった。
だがあの時はまだ冷静だった。
…こんな事、絶対に有り得ない。…
そう考える事が出来た。
…きっと誰かが間違えでメールしたんだ…
そう思って俺はそのメールを削除した。
しかし楽観出来たのは一回だけだった。
2日目
午後10時23分
『ねぇ、どうして?』
3日目
午後10時23分
『あなたを信じてたのに』
4日目
午後10時23分
『あなた達を信じてたのに』
5日目
午後10時23分
『なんで?』
毎日一分一秒狂いも無く同じ時間に同じアドレス。
もう偶然で無いことは明らかだった。
*
「これが…僕の犯した罪の全てです。」
俺は洗いざらい全てのことを話した。
窓の無い狭い部屋の中に今俺はいる。部屋にあるのは机と椅子と換気扇だけ。
「そうか…」
正面の灰色の背広姿の長身の男はそう呟いた。
そしてそのまま続けた。
「奇妙な事が解