1日1日がとても長い。
結局何が何だか分からないまま、真実を話すことだけを心がけてきたが、裁判では通用せず死刑が確定してしまった。
これからは毎日が死へのカウントダウンだ。
いつその日が来るか分からない。
しかし何故入れ替わるようなことが起こったのか。
僕の霊か魂が、健二の肉体に乗り移ってしまったのだろうか。
そうだとしても、それが何故なのかも分からない。
そんなことを考えるよりも、今の現状を受け入れ、残りの人生を大事に生きた方がいいのかもしれない。
もしかしたらこれは、神様が与えてくれたチャンスなのだろうか。
拘置所の生活や死刑は、決して幸せなものではないが、今生きていることは、死んでいることよりはずっと幸せなはずだ。
しかし、拘置所の生活は本当に辛い。
1日にほとんど何もせず、ただじっと過ごしている。
喜びを感じられるのは食事だけだ。
だが決して味は良くない。
1日がとても長い。
刑の執行の日までずっとこんな感じだ。
しかもいつその日が来るか分からないので毎朝看守がの足音が聴こえるのがとても怖い。
僕は一体何のためにこうなったのだろうか。
(つづく)