モグレとヒースは食い入るように、人形を眺めた。
「似ている。そっくりじゃないか」
「あのエリザベスとそっくりでしょう?」
「こりゃあ驚きだ」
ヒースの目が釘付けになっている。
そう。
その人形は、エリザベスと似ているのだ。
ブロンドのウェーブがかった長い髪…
パッチリとした目…
きりりと引き締まった口元…
バランスの取れた体型…
衣装の柄の違いを除けば、エリザベスと瓜二つなアンティークドールである。
マーティ巡査が説明する。
「名前はローズマリーと言うんですがね。
最初、コイツを見た時は思わず自分の目を疑いましたよ」
「そうだろうな。
それにしても、よくこんな人形を見つけたものだ。情報でも、提供してくれた者がいたのかな?」
「電話応対した係員の話しでは、テレビで人形騒動を知った持ち主が、自分から提供して来たみたいなんです」
「自分から提供して来たのか?」
「そうなんです。
是非、自分が持っている人形を資料か何かに使って欲しいって」
「それは大変な御好意じゃないか。礼を言わなきゃな」
「ハァ…」
「すぐにでも、持ち主の連絡先を教えてくれ」
「それが…、提供者本人が名前や住所の公表は控えさせて欲しいって言ってたそうですよ」
「人形の持ち主である事が、あまり世間で知られたくないのかな?」
「どうなんでしょうかね? あんな薄気味悪い人形は、もう返さなくてもイイから警察の方で勝手に処分してくれって言ってたみたいですし」
巡査の今の説明に、モグレは首を傾げる。
「最初から手放したい為に、名乗り出たみたいだな?」
「解釈すれば、そうなるでしょう。警部、どう思われます?」
「すぐにでも、持ち主の連絡先を教えてくれ」
「それが…、提供者本人が名前や住所の公表は控えさせて欲しいって言ってたそうですよ」
「人形の持ち主である事が、あまり世間で知られたくないのかな?」
「どうなんでしょうかね? あんな薄気味悪い人形は、もう返さなくてもイイから警察の方で勝手に処分してくれって言ってたみたいですし」
巡査の今の説明に、モグレは首を傾げる。
「最初から手放したい為に、名乗り出たみたいだな?」
「解釈すれば、そうなるでしょう。警部、どう思われます?」