彩…。
一瞬にしてあの刺激的な日々が思い出される。
快楽のみでなく、相手に対する背徳感も燃え上がらせた一つの要因だろう。
『元気?今日も沙也夏の家に行ったの?今日から3日間実家に帰るから、明日会えない?』
沙也夏経由で俺の休みを調べたのだろう。
明日から3日間は俺も休みになっていた。
しかも沙也夏と次に会うのは4日後だ…。
なぜか沙也夏に対する後ろめたさを感じながら、彩に了承の返事を送る。
『そーいえばさ、沙也夏とかなり上手くいってるみたいだね?もしかして、彩よりも好きになっちゃった?』
『いや、俺は彩が一番好きだよ。』
『悟ならそう言ってくれると思ってたけどね♪とりあえず明日は朝から行くから家にいてね。』
『わかったよ。』
メールを送ってすぐ、自己嫌悪に陥っている自分に気が付いた。
そりゃそうだ。
つい5分前まで普通最高サンバを踊り狂っていたのに、今はもう彩の事で頭が一杯になっている。
彩にも沙也夏にも良い顔をしている自分がいる。
彩よりも沙也夏が占める比率が高くなっているのに、あの刺激が忘れられない…。
そしてまた、自分に逃げ道を与えてしまった。
“明日からの3日間で答えを見つけよう…“
これが、最後の扉を開けた日だった…