「ハァ、ハァ…。」
制服が乱れていく。
だが、そんなの気にしている余裕なんて今の俺にはない。
最悪だ。
朝からその言葉しか出ない。
約３０分前
「だーかーらー！何で俺が親父の弁当をわざわざ仕事場に持ってかなきゃならねーんだょ！？」
そう、あのハゲ頭親父が弁当を持っていくのを忘れたのだ。
「頼むわよー、お母さんが届けたいのはやまやまなんだけど仕事の方向逆だし…ね？」
ぶりっ子しながら言うがそんなのその歳でされてもナエるだけだ。
「ナエるだとガキ。調子のってんじゃねぇょ。」
母さんは凄まじく怖い笑顔でサラっとそんな言葉をいいやがった。つーか、なんで読心術使えんだょ；
「それは、ママだからょ☆」
いゃ、答えになってないし…。
「と、に、か、く！弁当よろしくね☆」
「だから、無理だっつーの。俺だって親父の仕事場と学校逆方向だし。それに今日遅刻したら、課題が…。」
「お、ね、が、い、ね☆」ガシｯ
女とは思えない力で俺の肩を掴む。
「イｯイタイ！分かったからその手をはなせ！」
「分かればよろしくってょ。それじゃあ、行ってきます☆」
魔王は直ぐさま家をでていった。
「…つーか、俺やばいんじゃねーの？」
とまぁ、こういうわけでして。
遅刻寸前なわけ…。
だ、が！のぞみはあるのだぁ！
なんとこの前、近道を見つけたのだ！
遅刻点検やろーどもも見えない最強近道だぜ。
俺はその近道の方向に走っていく。
見えてきたぞ。
あの古びたフェンスを飛び越えれば学校の裏口の前につく。
俺は全力で走り、自分より二倍ぐらいのフェンスを飛び越える。
けっこう運動能力は上な方なので楽々飛び越えることができた。
そして、見事着地！
のはずだった。
「ふぅえ゛！」
？
足元に違和感を感じた。
俺の足元には一人の少女がいた。
これが、俺とルナの出会いだった。
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