ー兄ー
懐かしい響き。
ここ1年は聞かなかった言葉だ。
「お兄ちゃんのコト知ってるんですか…?」
不安げに言う私の声を聞いて、"彼"は笑顔で接した。
「うん(*^―゚)」
キーン
コーン
カーン
コーン
タイミングよく
流れるチャイム…
「し、失礼します!!」
なぜか私は
走って逃げてしまった。
ー…・・
兄は、亡くなる前日家出をしていた。
"奈々は俺のコトキライか?"
家族から見放され
嫌われ…
"あんたなんか好きにしなさい!!"
"彼"と"兄"には
なにかがあった…。