もう会えないと…君が言った
その顔を確認することなく
声だけで。
でも、声だけが
今のすべて。
それが悲しいんじゃなく
それでも嬉しかったのに。
冗談じゃない君の、その震える声は
僕に真実を語っていた。
だから、
この今が
この嫌な空気さえも
止まれば良いのにと思ったりした。
でも、この瞬間は
あっけなく終わった。
彼女が、僕の返事も待たずに。すぐに電話を切ったからだ。
それはもう
早かった!
こんなもんかっ
て…自分に言い聞かせたのに。
なのに彼女を嫌いには、なれなくて。
しばらく、携帯を見つめていた。