彼女がスッチー5

masa  2008-11-25投稿
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すぐには手術はできない、まずは腫れがひいてからだと医者に言われたらしい。

曲がって凹んでいた顔がどんどん腫れてきている。

本当に酷い腫れようで、
腫れで彼女の目が隠れてしまう程だった。

片目は二度と元に戻らないと思わせるような
真っ赤な色に充血していた。


あまりにも酷い変化をするので彼女の母親の彼氏が
僕が仕事から帰るとドアまで出迎えにきて、

「大分腫れてるから心構えをしとけよ」

と言いにくるくらいだった。

リビングのドアをあけ信じられない程腫れている彼女の顔と
赤い涙を流しそうな彼女の目を見ると僕は気が狂いそうに
なったが、

「腫れてるからいいほうや、腫れへんで内出血してるのが
1番やばいんやで」

と、笑顔で言った。


二人になると、

「もし、治らなくてもオーラがかわいいから
俺は変わらず好きやで」
などと言ったりした。


二週間程たってやっと腫れもほんの少しひいて、
ついに手術の日がきた。

もちろん仕事は休んだ。
(支店責任者はこういうときだけはいい)

頬の裏からの手術でボルトを埋め込むのだという。
他の病院ならそのボルトを取り出す手術を何年か後に、
再度行わなければならないと言われた。
近大の手術ならそのボルトは自然に体内に
溶け込まれるらしい。

医者の技術格差を改めて感じた。


手術室に入る彼女はリラックスしていた。

本当に強い子だと思った。

事件以来、
信じられないことだが、
彼女はいつもの明るい性格のままで生活していた。

普通女の子なら顔を傷付けられたら、
あまりにもショックで性格も変わってしまいそうだ。

いつも通りの冗談ばかり言って、笑って、イテテと笑いながら
顔を押さえていた。

逆に僕と彼女の母親は内心泣きそうになっているが、

「余裕やで!いい先生やから!
完璧に治してくれるから安心しィな!」
などと言い、心配そうな顔は微塵も見せないようにした。

彼女は麻酔が効いてきて、うとうとと眠りについた。

そのまま手術室に運ばれた。



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